レーニン主義批判の深化のために 「解放派におけるマルクス主義の深化の道は何か」(別冊パンフレット) よりの抜粋 |
斎藤 明
<抜粋にあたって> われわれは、既に40年前からレーニン主義を批判してきた。それは主要には「何をなすべきか」における「外部注入論」批判として展開してきた。しかし、今日ふりかえってみて、いわゆる「マルクス主義のレーニン的段階」と称される事柄、端的にはレーニンの「哲学ノート」の誤りを全面的に明らかにすることが、多かれ少なかれレーニン主義者である日本の新旧の左翼に対する根底的批判として必要となっていると考える。これは同時に、我が潮流内部より「レーニン回帰派」が発生したということの痛苦な反省の上にたつ問題意識である。 レーニンの「哲学ノート」の「論理学」の項の誤りを明らかにするということは、とりもなおさずヘーゲル批判としてのマルクス主義を明らかにすることと一つの作業である。日本におけるヘーゲル哲学の不理解が、そのままマルクス主義の歪みとなり、レーニンの誤りに直結してしまっている。このことに無自覚な人々は、いかに「レ―ニン批判」を口にしても、レーニンの別の一面をもってくるだけのことしか出来ていないでいる。「マルクス主義のレーニン的段階」なるものを俎上にあげて批判することが今日ますます大切であると痛感する。 以下抜粋する文章は、マルクス主義の骨格の再生のための文章の一部であり、その限りでのレーニン主義批判となっている。今後この視点の下に独自に「哲学ノート」批判を深化する予定である。 2002年3月 斎藤 明 |